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シャンパーニュの世界

祝酒の美酒、シャンパーニュ

シャンパンにまつわるエピソードや歴史、シャンパーニュに合う素敵なレシピ、カクテルなどをご紹介。

ドン・ペリニヨンの物語

ドン・ペリニヨン像
ドン・ペリニヨン像
シャンパーニュ地方のエペルネの町の北、マヌル川を見下ろす丘の上に建つオーヴィレール修道院の修道士ドン・ペリニヨン。彼は1639年、シャンパーニュ地方のサント・メヌーで生まれ、1668年、29才の時、オーヴィレール修道院に配属され、修道院のワイン倉庫を預かっていました。
ある晩春の日、自分の受け持ちの酒倉を見廻っていたところ(いや、見廻っていたと言うより、廻っていたと言うべきなのでしょう。なぜなら彼は盲目だったのですから。)、この日のマヌルの谷間の温度は、まるで夏のように高く、外気にあまり影響されない酒倉にも高温は忍び寄っていました。
ペリニヨンが酒倉の中ほどに来た時、ポーンという音がしました。
ワインの瓶の口に詰めていた木の栓が飛んだ気配です。
ペリニヨンはその瓶のそばに行くと、僧衣の物入れに入れてあった大麻の布を瓶の口に詰めようとしましたが、あまりにも香り高い芳香に、その瓶のワインを一口飲んでみたのでした。
何という芳香、そして心地良い泡立ちのお酒でしょうか。
このようなことは今までに何度かはありましたが、この日のワインはことさらに素晴らしかったのです。
シャンパーニュ地方は、冬になると相当に気温が低くなり、秋に発酵したワインが、低温で発酵を継続するために、一段と香味を増しました。しかし、ある低温に達すると酵母は動きを停止します。そのワインの中にはそうした状態で飲まれるものもありましたが、中には春を越し、再び瓶の中で発酵を始めるものもありました。
オーヴィレール修道院
オーヴィレール修道院
時としては、木や麻の布の栓を吹き飛ばすほど発泡するものもありました。
そしてそのようなワインは、その日の僧院の夕食用に用いられましたが、ペリニヨンはこの日のワインの香味、爽やかさ、心地よい泡立ちを何とか瓶の中で持続できないものかと考えました。
それからペリニヨンの研究が始まったのです。
彼は3年ほど前からイギリスでは、ワインの瓶の栓にそれまでの木や布を用いる方法ではなく、コルクを使っているという情報を得ていました。早速コルクを取り寄せると、瓶の口に合わせてカットしてもらいました。当時の瓶は手作りだったため多少瓶の口の大きさが違ったのでした。ペリニヨンは出来る限り瓶の口の大きさを統一し、一定の大きさのコルクが詰められるよう工夫しました。
いろいろな方法を導入して研究の結果、ペリニヨンはついに発泡性のあるシャンパーニュのワインを瓶の中にコルクの栓によって封じ込めることに成功したのです。
もちろん、容器だけの問題でなく、酵母の作用の強弱、瓶詰めのワインの保存にも新しい工夫を凝らしました。
これらの工夫を成し遂げたのは、ペリニヨンの盲人特有の優れた嗅覚、味覚、感覚だったのです(盲人ではないという説もありますが…)。
こうしてシャンパーニュのワインは発泡性のあるワインとして誕生しました。

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